忘れられた剣術を遊戯(スポーツ)にしたスポーツチャンバラ

 

 チャンネル桜「魁! 武道通信TV」独りごと <三>

 

 

 

 杉並区立西宮中学校のスポーツチャンバラ部の<道場訪問>が8月5日に放映された。

同校の教諭であり、かつて全日本、世界選手権を制した細川健一師範のインタビューが続編と

して1週置いた19日に放映される。

 

 

 

 スポーツチャンバラの創始者、田邊哲人さんと初めてお会いしたのはいつだったろう。

「スポーツチャンバラ」という文字を新聞の小さなコラムで知ったときだった。むかし懐かしい

チャンバラにスポーツを冠した、このこども対象の遊戯の創始に、田邊さんの竹刀剣道への懐疑

を嗅ぎ取ったことを記憶している。

 

 

 

 田邊さんが主宰する横浜にあった抜刀道場を訪ねた。

 

 少年少女も混じっていた記憶がある。が、驚いたのは皆、本身(真剣)を使っていた。

少年少女は、こわごわ納刀していた。本身でなくては抜刀の真髄はわからない。納刀が遅くても

よいというのが田邊さんの考えだ。

 

 稽古の終わりごろに、斬首を模した稽古もしていた。田邊さんが「スポーツチャンバラ」を

創始したわけは、自分が見抜いたとおりだったと確信した。

 

 

 

 稽古後、会食した。田邊さんが云った。刃物が一番よくわかっているのは主婦ですよ。

抜刀界への見事なアイロニーであった。同時に自分自身へも放たれた刃風であった。

 

 週に一度ぐらい巻藁を切る抜刀稽古しても、毎日、台所で包丁を使っている主婦の方が

<刃物>というものがわかっている。そう云いたかったのだ。

 

 

 

 武道通信を創刊した折、田邊さんに原稿を依頼した。弐ノ巻「床机」である。

それから八年後か、平成18年6月、「週刊武道通信TV」(当時は週刊)に国際スポーツチャン

バラ協会会長として出演していただいた。

 

 スポーツチャンバラ協会

 

http://www.internationalsportschanbara.net/jp/